冬の匂い
いつか死を迎える
私たちは、みんなどこか可愛い
どんなに偉そうにしていても
どんなに気が合わない人でも
みんないつかは死んでしまう
そんな私もいつか死んでしまう
冬に咲く花の美しさ
春を待つ花の周到さ
棘のある言葉に刺されても
傷まみれで縛られても
自由でしなやかでいたい
明るく照らしていきたい
水たまりに映った空が好き
雫の垂れた植物たちの輝きが好き
雨の中のお散歩が好き
濡れながら歩くのが好き
傘の中でハミングするの
傘を持ってスキップするの
私を放棄して身を委ねて
透き通った影に貫かれるの
冷めた身体は覚醒して
熱を帯びた恋に抱かれるの
傷つけ合うことも厭わずに
素肌を重ねあわせる
濡れた髪から冬の匂い
舞い戻ってきた宛先不明の手紙
激しさも熱情も祈りの光に変えて
あなたのことばかり考えている