散文

新しい風

新しい風を呼んだ。南の国の嵐の中から生まれて、ここまでたどり着いた。暖かな風は北半球の冷えた風と交わり、冷たい風になっていた。私の懐に入れてやると、すやすやと幼い顔で眠った。 暖かくなって元気を取り戻した風に名前をつけた。名前で呼ぶと気に入…